歯を失ったとき、自然な噛み心地や美しい見た目を取り戻す方法として注目されているのがインプラント治療です。インプラントとは、人工の歯根をあごの骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。
近年多くの方が選択肢として検討するようになりましたが、インプラントには、特有のメリットとデメリットが存在します。治療にかかる期間や費用も、事前にしっかりと把握しておくことが大切です。
この記事では、インプラント治療のメリット・デメリットや具体的な流れ、費用、さらにはインプラント以外の選択肢についてもわかりやすく解説していきます。治療を検討している方や、インプラントについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
インプラントとは
インプラントとは、失った歯を補うための治療法です。人工の歯根をあごの骨に埋め込み、その上に人工歯を装着して天然の歯に近い噛み心地と見た目を実現します。インプラント治療は、部分的な欠損だけでなく、全ての歯を失った場合にも対応可能です。
ブリッジや入れ歯とは異なり、隣接する健康な歯を削る必要がないのが大きな特徴です。生体親和性の高い素材を使用しており骨としっかり結合するため、適切なメンテナンスを行えば長期的に使用することが可能です。
また、審美性にも優れているため、治療後も自然な笑顔を保つことができます。信頼できる歯科医師のもとで治療を行えば、満足のいく結果を得られる可能性が高まります。
インプラントのメリット
インプラント治療は、ただ歯を補うだけではなく、機能面や見た目、そして長期的な健康維持においても多くのメリットをもたらします。他の治療法と比較してどのような点が優れているのかを、具体的に見ていきましょう。
天然歯のような噛み心地と見た目
インプラントでは、自分の歯のようにしっかりと噛むことができます。食事の際に違和感が少なく、硬いものでも問題なく噛めるのが大きな魅力です。
また、見た目も非常に自然で周囲の歯と違和感なくなじむため、口元の美しさを保つことができます。
健康な歯を守ることができる
ブリッジ治療では、欠損部分の両隣の歯を削って支えにする必要がありますが、インプラントなら周囲の健康な歯に負担をかけずに、単独で歯を補うことが可能です。そのため、他の歯の寿命を縮めることがありません。
長期間使用できる
インプラントは、適切なケアを行えば10年以上、場合によっては20年以上使用することも可能です。入れ歯のように定期的な作り直しが不要なため、長期的に見てコストパフォーマンスにも優れています。
毎日の歯磨きや定期的なメンテナンスが重要ですが、しっかりと管理すれば快適に使うことができます。
骨の吸収を防ぎ顔貌の変化を抑える
歯を失うと、噛む刺激がなくなった部分のあごの骨は次第に吸収されていきます。
しかし、インプラントは顎の骨に直接固定されます。咀嚼時などの力が伝わるため、骨の吸収を防げます。これにより、顔全体の輪郭が保たれ、老けた印象になるのを防ぐ効果も期待できるでしょう。
インプラントのデメリット
インプラント治療には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。治療を検討する際は、利点だけでなくリスクや負担についても正しく理解し、総合的に判断することが重要です。
ここでは、インプラント治療に伴う主なデメリットを詳しく紹介します。
手術が必要になる
インプラント治療は、あごの骨に人工歯根を埋め込む外科手術を伴います。そのため、手術に対する不安を感じる方も少なくありません。また、全身の健康状態によっては治療を受けられない場合もあるため、事前の検査や医師との十分な相談が欠かせません。
治療期間が長い
インプラント治療では、手術後に骨とインプラント体がしっかり結合するまで3か月~6か月程度の治癒期間が必要です。そのため、治療全体でみると、半年から一年程度かかることもあります。
仮歯などを使用して見た目を補うことは可能ですが、すぐに歯を取り戻したい方には向かないかもしれません。
費用が高額になりやすい
インプラント治療には基本的に保険が適用されないため、1本あたり30万円以上の費用がかかります。それだけの価値はありますが、初期費用の高さがネックになることは事実です。
トラブルが起こるリスクがある
インプラントは天然歯と同様に、適切なケアが不可欠です。歯磨きや定期的な検診を怠ると、インプラント周囲炎と呼ばれる感染症を引き起こすことがあります。これが進行するとインプラントを失うリスクもあるため、日頃のメンテナンスがとても重要です。





